動画編集を本格的に始めたいと思ったとき、多くの人が選ぶのがPCを使った編集です。
スマホでも簡単な編集はできますが、細かな調整や高品質な映像を作るにはやはりPCと専用ソフトの力が欠かせません。
とはいえ、「どこから始めればいいの?」「難しそうで不安…」という初心者の声もよく聞かれます。
この章では、動画編集ソフトを使ってPCで編集する基本的な流れを、初めての方にもわかりやすく解説します。
撮影した映像の読み込みから、編集、エフェクト追加、そして書き出しまでのステップを順を追って紹介していきますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう。
動画編集はPCとスマホどっちがいい?

スマホでの動画編集は、手軽さが最大の魅力です。
アプリをインストールすればすぐに始められ、指先の操作だけで簡単にカットやテロップ挿入ができます。
最近のスマホアプリは機能も充実しており、SNS用のショート動画やVlogなどであれば十分に編集が可能です。
撮影から編集、投稿までをスマホ1台で完結できるのは大きな利点でしょう。
一方で、細かい調整や本格的な編集を目指すなら、やはりPCの方が圧倒的に有利です。

大画面での作業は視認性が高く、キーボードやマウスを使った操作も正確でスピーディーです。
また、エフェクトの追加や色調補正、複数の動画素材を組み合わせるような編集は、PC用の動画編集ソフトでなければ難しいことが多いです。
動画の書き出し時間や処理スピードの面でも、スペックの高いPCであれば快適に作業できます。
結論としては、「手軽にSNS用動画を編集したい人」にはスマホが「本格的に動画編集に取り組みたい人」にはPCが向いているといえます。
将来的に動画編集を仕事にしたい、YouTubeなどで収益化を狙いたいという方には、最初からPCを使うのがおすすめです。
動画編集でPCスペックはどのくらい必要なのか
パーツ名 | 最低限必要なスペック | 快適な編集におすすめのスペック | 備考 |
---|---|---|---|
CPU | Intel Core i5 / Ryzen 5 | Intel Core i7 / Ryzen 7 以上 | 処理速度に大きく関係。高性能ほど編集がスムーズ |
メモリ(RAM) | 8GB | 16GB以上(4K編集なら32GB) | 複数素材やエフェクト使用時に影響 |
グラフィックボード(GPU) | 内蔵グラフィックでも可能 | NVIDIA GTX 1660 以上、RTX シリーズ推奨 | 書き出し速度やリアルタイムプレビューに影響 |
ストレージ | SSD(256GB以上) | NVMe SSD(512GB〜1TB) | 読み書きの速さが編集の快適さを左右 |
画面サイズ / 解像度 | 最低限:13インチ / フルHD | 15.6インチ以上 / フルHDまたは4K | 編集画面が広いと作業しやすく、色確認もしやすい |
OS | Windows 10 / 11、macOS | 最新のOSが望ましい | ソフトとの互換性や安定性のため |
動画編集におすすめのPC

動画編集を快適に行うには、ある程度のスペックを備えたPCを選ぶことが大切です。
しかし、パソコンにはノート型やデスクトップ型、MacやWindowsなど様々な種類があるため、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
ここでは、動画編集に適したおすすめのPCをタイプ別に紹介します。
ノートPCでおすすめのモデル
ノートPCは持ち運びができ、省スペースで設置できるのが魅力です。
最近は高性能なモデルも増えており、外出先で編集作業をする人にも適しています。
- Apple MacBook Pro(M3チップ搭載モデル)
直感的な操作ができるmacOSと、高性能なAppleシリコンにより、Final Cut ProやDaVinci Resolveが快適に動作します。色の再現性も高く、クリエイターに人気の一台です。 - Dell XPS 15
美しい4Kディスプレイとパワフルな処理性能を兼ね備えたWindowsノートPC。動画編集に必要なグラフィックカード(NVIDIA GeForce RTX)も搭載されており、Adobe Premiere Proなどのソフトもサクサク動きます。 - MSI Creator Z16
クリエイター向けに設計されたモデルで、明るく高精細な液晶、Core i7/i9搭載、RTX GPUと、ハイスペックが詰まった1台。After Effectsなどの重い作業にも対応できます。
デスクトップPCでおすすめのモデル
本格的に動画編集を行いたい場合や性能重視で作業したい場合は、デスクトップPCのほうが有利です。
冷却性能も高く、長時間の作業にも適しています。
- Apple iMac(24インチ M3モデル)
洗練されたデザインとパワフルな処理性能。Final Cut Proとの相性が良く、YouTubeやSNS動画制作にもぴったり。4.5K Retinaディスプレイにより、色味や細部の確認も正確に行えます。 - マウスコンピューター「DAIV」シリーズ
日本のクリエイターからも支持を集める動画編集向けモデル。高性能CPU・大容量メモリ・専用GPUを搭載し、4K編集や長尺動画の制作も安心して行えます。コストパフォーマンスも高く、Windowsユーザーには特におすすめです。 - ドスパラ GALLERIAシリーズ
もともとはゲーミングPCとして人気ですが、その高いスペックを活かして動画編集にも最適です。Premiere ProやAfter Effectsなど、GPUを活用する作業にも強く、価格と性能のバランスが良い点も魅力です。
PCでの動画編集のやり方

撮影&動画の読み込み
スマホや一眼レフ、GoProなど、どのデバイスで撮影しても構いませんが、解像度はフルHD(1920×1080)以上を意識すると、編集後の仕上がりがきれいになります。
撮影が終わったら、PCに動画データを取り込みます。
多くの場合、USBケーブルで接続してデータを転送するか、SDカードをカードリーダーで読み込む形になります。
動画編集ソフトを開き、編集したい動画ファイルを「インポート(読み込み)」して、ソフト内のライブラリやタイムラインに配置します。
動画データのカット・並び替え・トリミング
これにより、視聴者にとって見やすく、テンポの良い構成に仕上げることができます。 タイムライン上で動画を再生しながら、必要な箇所を「カット(分割)」していきます。
たとえば、ミスをした場面や無言の時間はカットして、テンポを整えると良いでしょう。
次に、複数のクリップを並び替えてストーリーの流れを調整したり、不要な前後の部分を「トリミング」することで、映像全体がスッキリまとまります。
エフェクト・テロップの追加と色調補正
たとえば、場面転換にエフェクト(画面効果)を加えることで、動画にリズムが生まれます。
また、強調したい部分にはテロップ(文字情報)を入れることで、視聴者の理解が深まります。
テロップは、フォントや色、動きのつけ方で印象が大きく変わるため、動画の雰囲気に合ったデザインを選びましょう。
加えて、動画の明るさや色味が気になる場合は「色調補正」を行います。
たとえば、全体が暗くなってしまった映像は明るさを上げたり、肌色が不自然な場合には色温度を調整したりすることで、自然で見やすい映像に仕上がります。
書き出し・アップロード
動画ファイルとして保存する際には、解像度・画質・ファイル形式(例:MP4)を選ぶことになります。
YouTubeやInstagramに投稿する場合は、推奨される設定(1080p、H.264形式など)に合わせて書き出すのがおすすめです。
書き出しが完了したら、そのまま動画サイトにアップロードするか、クラウド経由で共有することで、視聴者と動画をシェアできます。
タイトルや説明文、サムネイル画像などを工夫すれば、より多くの人に見てもらえるチャンスも広がります。
このように、PCでの動画編集は「素材を読み込み→整える→演出を加える→完成させる」という流れで進めていきます。

慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、一度マスターすれば自分の表現の幅が大きく広がる、非常にやりがいのある作業です。
無料ソフトでもプロ並みの動画は作れる?

動画編集の世界では有料ソフトに比べて無料ソフトは機能面で劣るイメージがありますが、実は最近の無料編集ソフトは非常に高性能で、多くのプロが使うレベルの編集も可能になっています。
無料ソフトでも、基本的なカットやトリミング、テロップ挿入はもちろん、高度な色調補正やエフェクト、マルチトラック編集など多くの機能を備えているものが増えています。

例えば、DaVinci Resolveは無料版でありながら、映画やテレビ制作でも使われるプロ向けのカラーグレーディング機能を持っており、精細な映像表現が可能です。
ただし、無料ソフトには以下のような制限があることが多いです。
- 書き出しの解像度やフォーマットの制限
- 動作の安定性や処理速度の違い
- 使えるエフェクトや素材の数が限られること
これらの制約を理解したうえで自分の編集レベルや目的に合ったソフトを選べば、無料ソフトでも十分に満足のいく動画を作れます。
また、無料ソフトは初心者にとっても試しやすく、まずは基本を学ぶステップとして最適です。
将来的により高度な編集や大量の動画制作を行う場合には、有料ソフトの導入を検討するのが良いでしょう。
無料動画編集ソフトおすすめ6選

動画編集を始めたいけれど、まずは費用をかけずに挑戦したいという方に向けて無料で使えるおすすめの動画編集ソフトを6つご紹介します。
どれも初心者から中級者まで使いやすく機能も充実しているので、自分に合ったものを見つけてみてください。
1. PowerDirector 365
PowerDirectorは、初心者でも扱いやすいインターフェースが特徴の編集ソフトです。
無料版でも多彩なテンプレートやエフェクトが使え、直感的な操作で動画編集を楽しめます。
基本的なカットやテロップ追加はもちろん、AIを活用した自動編集機能もあり、短時間で魅力的な動画を作成可能です。
Windowsユーザーに特に人気です。
2. Director Suite 365
Director Suiteは、PowerDirectorを含む複数のツールがセットになったクリエイター向けのソフト群です。無料体験版を利用して、動画編集だけでなく、写真編集やカラーグレーディングも一括で行えます。動画の質にこだわりたい人におすすめですが、少し操作に慣れが必要です。
3. Promeo
Promeoはスマホアプリとしても提供されている無料の動画編集ツールで、簡単にプロのような動画を作りたい方に向いています。
クラウドベースで複数デバイスから編集可能なのも魅力で、テキストアニメーションやトランジションも豊富に用意されています。
初心者でも使いやすい設計です。
4. DaVinci Resolve
DaVinci Resolveは、無料版でも映画制作にも使われるほどの高度な機能が備わっています。
特にカラーグレーディング(色調補正)に優れており、プロ顔負けの映像美を追求したい方に最適です。
操作はやや専門的ですがYouTubeなどのチュートリアルも充実しているため、学びながら使うことができます。
5. Filmora
Filmoraは初心者から中級者に人気のソフトで、シンプルでわかりやすいインターフェースが特徴です。
無料版でも基本的な編集機能が揃っており、多彩なエフェクトやタイトルテンプレートも使えます。
SNS向け動画の制作にぴったりで、Windows・Macどちらでも利用可能です。
6. VideoStudio
VideoStudioは老舗の動画編集ソフトで、初心者向けのガイドやサポートが充実しています。
無料体験版で多彩なエフェクトや画面分割などの機能を試せ、使い勝手の良さが評価されています。
シンプルながら本格的な編集ができるため、動画編集を始める第一歩としておすすめです。
動画編集を仕事にする方法

動画編集は今や需要が高まっているスキルの一つで、趣味からプロの仕事へとステップアップする人も増えています。
ここでは、動画編集を仕事にするための具体的な方法を順にご紹介します。
1. スキルを学ぶ
動画編集を仕事にするためには、まず基本的なスキルを身につけることが欠かせません。
編集ソフトの使い方だけでなく映像の構成やストーリー作り、色調補正や効果の使い方まで幅広く学びましょう。
独学でも可能ですが、オンライン講座や専門スクールを活用すると効率的です。
2. 実際に動画を作って練習する
学んだ知識を実践に活かすため、自分で動画を作成し練習します。
撮影した映像や無料素材を使い、多様な編集テクニックを試してみることが重要です。
繰り返し練習することで、操作スピードや仕上がりのクオリティが向上します。
3. ポートフォリオを作る
完成した作品はポートフォリオとしてまとめましょう。
ポートフォリオはクライアントに自分の実力を示す重要な資料です。
YouTubeやVimeo、専用のウェブサイト、SNSで公開することで、多くの人にアピールできます。
4. 仕事を探す・受ける
ポートフォリオができたら、実際に仕事を探しましょう。
クラウドソーシングやSNS、知人からの紹介など、さまざまなルートがあります。
最初は小規模な案件でも丁寧に対応し、信頼を積み重ねていくことが大切です。
5. 単価アップとリピートを目指す
仕事を継続して受けるためには、単価アップやリピート獲得を目標にしましょう。
クライアントの要望に応えつつ自分からも提案を行い、コミュニケーションを大切にすることが信頼につながります。

質の高い動画を安定して提供できると、長期的な仕事につながりやすくなります。
本格的なスキルは「動画編集スクール」で身につけるのが近道

動画編集をプロフェッショナルレベルで習得したいなら、独学だけでなく専門の動画編集スクールを利用するのが効率的です。
スクールでは、基礎から応用まで体系的に学べるカリキュラムが用意されており、自己流では気づきにくい編集テクニックや業界の最新トレンドも身につけられます。
また、現役のプロ講師から直接指導が受けられるため、疑問点や技術の習得速度も飛躍的にアップ。

課題や実践制作を通じて実務に近い経験が積めるのも大きなメリットです。
さらに、多くのスクールでは就職・案件獲得のためのサポートやポートフォリオ作成のアドバイスもあり、実際の仕事につなげやすい環境が整っています。
独学ではモチベーションが続きにくい人や、最短ルートで編集スキルを伸ばしたい人には特におすすめです。
ただし、スクールによって授業の内容やサポート体制、料金が異なるため、自分の目標や予算に合ったスクールを選ぶことが大切です。
無料体験や説明会を利用して比較検討するのも良いでしょう。
動画編集を学びたい人におすすめのスクール5選

動画編集を本格的に学びたい人に向けて、実績やサポート体制が充実しているおすすめのスクールを5つご紹介します。
各スクールには特徴があり、目的や予算に合わせて選べるのが魅力です。
1. デジハク
デジハクは動画編集に特化したオンラインスクールで、初心者からプロを目指す人まで幅広く対応しています。
実践的な課題が多く、YouTubeやSNS動画の制作に必要なスキルを短期間で身につけられます。
オンライン完結型なので、好きな時間に学べるのも魅力です。
2. MOOCRES(ムークリ)
MOOCRESは現役クリエイターが講師を務めることで知られる動画編集スクールです。
実務で使われる最新ソフトの操作から企画構成、編集テクニックまで学べるのが特徴。
個別指導やフィードバックが充実しており、わからないこともすぐに相談できる環境が整っています。
3. デジタルハリウッドSTUDIO by LIG
デジタルハリウッドSTUDIOは全国に教室を持ち、オンラインと対面を選べるスクールです。
動画編集だけでなく、Webデザインやマーケティングも学べるため、幅広いクリエイティブスキルを身につけたい人におすすめ。
LIGとのコラボレーションで実務に近いカリキュラムが魅力です。
4. studio US
studio USは映像制作や動画編集を専門に学べるスクールで、プロの現場で通用するスキルを重視しています。
少人数制の授業で、一人ひとりの理解度に合わせた丁寧な指導が特徴。
卒業後の就職支援やフリーランス支援も手厚く、安心して学べる環境が整っています。
5. Chapter Two(チャプターツー)
Chapter Twoはオンライン完結型の動画編集スクールで、初心者から経験者まで幅広いレベルに対応。
実践重視のカリキュラムで、YouTube動画や企業プロモーション動画など多彩なジャンルの編集技術を学べます。
卒業生コミュニティも活発で、情報交換や案件紹介が期待できます。
PCでの動画編集に関するよくある質問

ただし、一部機能や書き出し形式に制限があることも。
最初は無料で始め、必要に応じて有料版に切り替えるのが◎。
・ノートPC:持ち運びに便利。外出先でも作業したい人向け。
・デスクトップPC:高性能で長時間作業にも強い。スペック重視ならこちら。
本格的に編集するなら、デスクトップの方が安定・快適です。
YouTubeなどでチュートリアル動画が多く、基本操作や編集の流れは独学で学べます。
ただし、仕事レベルのスキルを短期間で身につけたい場合は、スクールの利用がおすすめです。
まとめ

PCを使った動画編集は一見難しそうに思えるかもしれませんが、基本のステップを押さえれば初心者でもスムーズに始められます。
動画の読み込みからカット・トリミング、テロップやエフェクトの追加、書き出しまで、編集ソフトを使って一つひとつ丁寧に進めることで、誰でも魅力的な動画が作れるようになります。
まずは無料のソフトや使いやすい編集ツールから挑戦し、少しずつステップアップしていくのがおすすめです。
慣れてくればあなたのアイデアやセンスを自由に表現できる、楽しいクリエイティブの世界が広がります。

動画編集を学びたい・仕事にしたいという方は、スクールなどの活用も視野に入れて、しっかりとスキルを身につけていきましょう。