この記事でわかること
- 副業を始めたけど確定申告する必要はある?
- 副業所得が20万円以下なら確定申告しなくてもいいのは本当?
- 確定申告しないとどうなる?
- 会社に副業がバレないためにはどうすればいい?
- 副業所得が20万を超えたら確定申告は必要なのか
- 確定申告をしないとどうなるのか
- 20万円以下は確定申告をしなくても良いのか
- 副業で確定申告をするメリット
- 副業がバレてしまう理由と対策
この記事の目次
【結論】副業所得が20万円を超えたら確定申告は必要!
結論から申し上げますと、副業での所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要です。 「所得税を取られるから」 「確定申告は難しくてよくわからないから」 「めんどくさそうだから」と色々な理由で避けたくなってしまうかもしれません。 しかし、確定申告を怠ってしまうと後々大きなペナルティを受けてしまいます。 あの時ちゃんとやっておけばよかった・・と後悔しないように、副業で20万円以上の所得がある方は、この記事にまとめてある知識を知っておくことをおすすめします。副業で20万以上稼いでいるのに確定申告しないとどうなる?
本業の給与所得の他に副業での所得が20万を超えた場合は、確定申告が必要ということは冒頭でお伝えしました。 では、確定申告をしなかった場合はどうなるのでしょうか。①税務調査が入る
まずは、税務署からの調査が入ります・・とは言っても、テレビで観たことがあるようにいきなり調査員がなだれ込んでくるわけではなく、きちんと事前に連絡が来ます。 当日は税務署の方が数人訪問し、事業所得に関する書類や該当する帳簿の提示を求められます。この際に色々な質問などをされ、後日調査結果確定の連絡が来ます。 ちなみに、税務調査は大きな規模の案件にしか調査が入らないと言われていた時代もありました。 しかし現在では副業での収入が当たり前のような世の中に変化している事もあり、個人にも税務調査が入る件数が増えていると言われています。②調査結果次第で所得税・住民税などをまとめて徴収される
税務調査を終えた後、3か月以内に調査結果が届きます。 内容によっては、15%~20%の延滞税・無申告加算税・重加算税が加算された税金を収めるというペナルティを受けることになります。 ただし、税務署の調査通知が届く前に自主的に申告した場合は5%の無申告加算税で済むことも。 参考:国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」収入と所得の違いは?|副業を始める前に知っておきたい3つの所得
確定申告について調べているとよく出てくるのが“収入”と“所得”という言葉。 “収入”と“所得”、この2つの違いと、確定申告の話をする上で重要な所得の種類について解説していきます。 所得には全部で10個の種類があります。ここでは、副業をするうえで知っておくと良い3つの所得について解説します。- 給与所得
- 事業所得
- 雑所得
収入と所得の違い
“収入”と“所得”、それぞれの違いは以下の通りです。- 収入=給与や報酬で得た金額の総額
- 所得=収入から必要経費を引いた金額
1.給与所得とは
給与所得とは、勤務先の会社から受け取る給料・賃金・賞与のことです。 給与所得は、事業所得のように必要経費を差し引けません。 そのため、給与や賞与から給与所得控除額を差し引いた金額が手元に残ります。給与所得控除は、給与収入に合わせて一律で控除される
2.事業所得とは
フリーランスや個人事業主の方が、何らかの事業を営むことで収入を得るのが事業所得といいます。 事業所得になる事業は以下です。- 農業や漁業
- 製造業
- 卸売業
- 小売業
- サービス業
3.雑所得とは
雑所得とは、所得の種類に分類できない所得のことです。 雑所得の分類ははっきりしておらず明確に分けるのは難しいでしょう。 以下のような場面で収入が発生した場合は雑所得になり得ます。- コラムを書いて原稿料を受け取った
- メルカリ・ラクマなどで不用品を売った
- 知人の結婚式で演奏をしたあと謝礼を受け取った
副業所得が20万円以下なら確定申告は必要ない?
確定申告のボーダーラインと言われる副業所得金額の20万。 ここからは確定申告が必要な場合とそうでない場合について解説します。副業でも確定申告が必要な場合
副業でも確定申告が必要な場合は、副業の事業所得が20万円以上の場合です。 つまり、会社以外で自営業をしていて所得が20万円以上発生していたら確定申告が必要な可能性があります。所得とは副業で得た収入から原価や経費を差し引いた残りの利益のこと例えば、動画編集を副業で行っていたとします。 動画編集の副業で100万円の収入があり、年間で経費が50万円かかったとします。 そうすると所得は50万円ということです。
100万円−50万円=所得50万円この場合は、所得が50万円なので確定申告をする必要があります。
確定申告が不必要な場合
続いて確定申告が必要ない場合について解説します。 確定申告が必要ない場合は、事業所得が20万円以下のときです。 例えば、動画編集の副業で100万円の収入があり、90万円の経費がかかりました。 この場合だと以下のような計算になります。100万円−90万円=所得10万円所得が10万円なので所得税の確定申告は必要ありません。
20万円以上稼いでいなかったら確定申告は必要ないの?
「副業で20万円以上稼いでいなかったら確定申告は必要ない」と解説しました。 しかし、これは半分正解で半分間違いです。 なぜなら、住民税の申告が必要になるからです。 たしかに、副業による事業所得が20万以下の場合は、確定申告の必要はありません。 ただし、確定申告というのは所得税と住民税が同時に申告される仕組みになっています。 そのため、副業の所得が20万円以下で確定申告をしない場合、別で住民税の申告をしなくてはいけないのです。デジハク編集長
実際は、手続き上の都合により20万円以下でも確定申告をしているのが現状。
副業所得20万以下でも住民税の申告が必要な理由
副業での所得が20万円以下なら確定申告の必要はないということはお伝えしてきましたが、住民税の申告は別途必要になってきます。 こちらでは、なぜ申告が必要なのか、申告方法や申告しなかった際のデメリットを解説していきます。そもそも住民税と所得税は管轄が違う
住民税の申告が必要になる理由は、所得税と管轄が異なる為そもそも収める場所が違うからです。 住民税は地方税の為、管轄が各自治体に。 所得税は国税の為、管轄が税務署となっています。確定申告のいらない副業所得20万以下の場合、住民税の申告方法はどうする?
確定申告をしない副業所得20万以下の場合、自治体へ直接の申告が必要です。 「住民税申告書」を各自治体の窓口またはホームページからダウンロードして記入し、窓口または郵送にて提出となります。電子申請可能の自治体もあります。 申告に必要なものは自治体によって異なります。お住まいの各自治体公式ホームページまたは役所にてご確認ください。副業が20万以下の人が住民税の申告をしないとどうなる?
確定申告と異なり、収入金額や所得金額に関わらず、申告する必要のある住民税。 住民税申告をしないと、国民健康保険税等の算定が正しくできない、課税証明書や所得証明書が発行できないなどの影響があります。 後々どこかで必要になるかもしれません。あの時申告してなかったせいで・・というアクシデントに巻き込まれない為にも、忘れずに申告をしておきましょう。確定申告をすれば住民税の申告は不要?
副業所得が20万円以下でも以上でも、確定申告をしていれば住民税の申告は不要です。 確定申告で所得金額の申請が終わっていれば、自治体と税務署が連携し、申告されている所得金額を元に自動で税額を計算する為です。副業で確定申告をするメリット
本業以外で収入を得ている場合、原則として確定申告は必要だと解説しました。 ここからは副業サラリーマンが確定申告をするメリットを解説します。 結論、副業サラリーマンが確定申告するメリットは節税です。 「節税になる」ということを考えながら読み進んでいただければ幸いです。損益通算ができる
確定申告をしていれば、損益通算ができます。 損益通算とは、事業所得であれば、副業で赤字が出た場合、本業から損失を引くことができる制度のことです。 事業が軌道に乗るまでは非常に助かりますね。青色申告特別控除が受けられる
青色申告特別控除とは、最大65万円までの特別控除が受けられる制度のことです。 青色申告特別控除は、青色申告で確定申告をしなくてはいけません。青色申告とは、複式簿記という方法で記帳をして確定申告をする方法開業届を出すときに青色申告か白色申告かを選べますが、一般的には控除額が高い青色申告で提出します。
青色専業専従者給与が適応できる
事業所得では、要件を満たせば事業を手伝っている家族に対する給与を必要経費にできるという制度があります。 それが、青色専業専従者給与。 家族を従業員で雇っている場合はお得な制度です。純損失の繰越と繰戻し
青色申告をしている場合なら、副業の損失額を3年間繰り越して所得から控除することが可能です。 また、前年の所得から繰戻して還付金を受け取ることもできます。30万円未満の少額減価償却資産の適応
青色申告をしていると、事業で使用するために購入した30万円未満のものであれば、一括で経費にできます。 ただし上限は300万円と定められています。デジハク編集長
また、150万円以上になると、固定資産税が発生するので気をつけましょう。
副業で稼いだ時の確定申告のやり方や流れをざっくり説明!
会社員なら年末調整の書類を書くくらいで、あとは全部会社にお任せですが、確定申告を自分でやるとなるとハードルが高そうですよね。 ここでは、副業を始めるなら知っておきたい、確定申告のやり方や流れをざっくりと解説していきます。 難しく細かいことは省いてありますが大まかにはこのような流れになっています。苦手意識のある方が多いかもしれませんが、どうか肩の力を抜いてご覧ください。①副業を始める前にやるべきこと|副業開始前~
副業を始めるなら、まずはこの2つをやっておく必要があります。- 開業届の提出
- 所得税の青色申告承認申請書の提出
②確定申告までにやるべきこと|開始~確定申告
青色申告には複式簿記で作成した帳簿の提出が必要です。 「ぼ、簿記・・???」となった方も多いかもしれませんが、ご安心ください。 難しい簿記の知識がなくても、今は「freee(フリー)」や「マネーフォワードクラウド会計」など、経費などを入力するだけで確定申告に提出できる書類作成が可能な会計ソフトが色々出ています。 料金やサービス内容も少しずつ異なりますので、自分が使いやすい会計ソフトを探して確定申告までの期間は収入金額や経費などをこまめに入力しておきましょう。 また、確定申告を電子申請で行う場合はe-Taxの登録を予め済ませておくことをおすすめします。マイナンバーカードを使用した登録になりますので、暗証番号の準備などで時間がかかることを想定しておきましょう。デジハク編集長
確定申告直前になるとe-Taxのサイトにアクセスが集中し、登録に大変時間がかかります。
③確定申告の際にやるべきこと|2月16日~3月15日
会計ソフトを使用していれば、確定申告のメニューから数回のクリックで簡単に帳簿の作成が可能です。 また、会計ソフトから直接電子申請できるものもありますので、1月1日~12月31日の1年間の収支入力さえ終わらせていれば、拍子抜けしてしまうほど確定申告の手続きが簡単に終わってしまいます。サラリーマンの副業がバレる理由とたった一つの対策
副業の確定申告をするメリットについて解説しました。 ここからは、サラリーマンの副業がバレてしまう理由と対策について解説します。 結論からいうと副業は9割バレません。 しかし、なかには副業禁止の会社に勤めていて、バレてしまうのを気にされる方もいるでしょう。 そこで、たった一つの対策を紹介します。 これさえ行っておけば、人為的なミスや自分から言わない限りはバレないので、安心して副業に取り組めます。バレる理由の多くは住民税の金額が高くてバレてしまう
副業がバレてしまうケースの多くが住民税の金額です。 住民税は前年の所得で決まります。 企業はそれを自治体に伝えて、自治体は給与額に合わせた今年の住民税の納付書を企業に届けます。 その時、経理に住民税の金額が高くなっていることに気づかれるのが、最も多いパターンです。 20万円以下の副業所得でも、企業でチェックした時に会社の収入と金額が違う・・と気付かれてしまいます。対策は確定申告の時は普通徴収に丸をつけ忘れないこと
副業の収入を確定申告するときは普通徴収に丸をつけることを忘れないようにしましょう。 住民税を納付する方法は2つ挙げられます。- 特別徴収
- 普通徴収
デジハク編集長
給与の住民税は勤務先へ、副業の住民税の納付書は自宅へ届くようにしておきましょう。
副業の確定申告Q&A
ここまで説明したこと以外に、ネットで良く見かけた疑問や質問についてデジログで解説していきます。確定申告は必要?副業所得が20万円以下のアルバイトの場合
副業所得が20万円以下なら確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。 住民税の金額で会社にバレることのないように、特別徴収ではなく普通徴収を選択すればOKという説明をしましたがアルバイトの場合は異なります。 アルバイトは「給与所得」になってしまうため、原則として普通徴収ができません。 しかし、普通徴収を希望したいと申し出ることで、自治体によって対応してくれるところもありますので、諦める前に一度役所で相談してみることをおすすめします。副業で稼いでも確定申告してない人が多いから自分もやらなくてもいい?
「副業で稼いでも確定申告していない」と言っている人をネットで見かけて、じゃあ自分も・・なんて考えるのは危険。 確定申告をしないのは脱税しているということと同じです。 延滞金や延滞税の金銭的なものだけでなく、本業にバレて処分をされたり社会的信用を失ったりと想像していなかったペナルティを受ける可能性もあります。デジハク編集長
勤務先が税務署に提出する支払調書もありますし、税務署は銀行などの金融機関と情報の連携をしています。バレないはずがない、と考えた方がいいかもしれません。
副業が20万以下の場合、確定申告したらどうなる?
原則、副業所得が20万円以下の場合は確定申告の必要はありません。 しかし、医療費控除や住宅ローン控除など様々な控除や税金の還付を受けるためには必要な場合もあります。 また、確定申告をしておけば住民税の申告も不要ですし、今後の所得が増えることも見据えて確定申告の準備や実際に申請をしておくこともおすすめします。白色申告はラクって聞いたけど本当はどうなの?
白色申告は事前の届出も不要、難しい書類も不要、と簡単に済ませることができる申告方法と言われています。 とは言え、実際は最低限の書類は必要です。 青色申告は事前の申請や複式簿記の書類が必要ではありますが、最大65万円の特別控除、家賃や電気代なども経費にできるなど他にもメリットは色々です。 会計ソフトを使用して確定申告をするなら、手間はほとんど同じ。となると、青色申告にしない手はありません。正しい情報を入手すれば悩まずに安心して副業に取り組めます
最後にまとめます。- 副業を行うなら給与所得と事業所得と雑所得について知る
- 副業は事業所得にあたる
- 20万円以上の所得があれば確定申告は必要
- 20万円以下の所得は原則確定申告の必要はないが住民税の申告が別途必要
- 副業サラリーマンが確定申告をするメリットは節税
- 副業がバレないようにするには確定申告の際には普通徴収にチェックを入れること