この記事でわかること
- フリーランスと個人事業主の違いを知れる
- 個人事業主の税や年金・保険について知れる
この記事の目次
フリーランスと個人事業主の違い
フリーランスと個人事業主はどのように違うのでしょうか。 大きく違うのはフリーランスは雇用形態、個人事業主は開業届を出しているかの違いです。 それぞれ詳しく解説します。フリーランスとは雇用形態
フリーランスとは、雇用形態の一つです。 特定の企業に所属せずに、個人として仕事を請け負うことです。 WebライターやWebデザイナーのようなスキルを提供して報酬をもらうこともあれば、コンサルティングのような知識や知見を提供することもあります。 基本的には出勤の義務はないので、働く時間や場所に縛られることはありません。 契約通りの納期に仕事を終わらせるのが大切になってきます。個人事業主とは独立して事業をしている人
個人事業主とは、法人を設立せずに独立して事業を継続的に行っている人のことです。 自営業者ともいいます。 開業届を申請すれば、個人事業主として独立したことになります。 開業届とは事業の開始などを税務署に伝える書類のことです。開業届を書くときの出し方や用意しておくもの
個人事業主になるには開業届を出す必要があり、開業届を指していないと税の面で大きく損をしてしまうことがあります。 そのため、フリーランスとして活動を考えている方は開業届を出すことをオススメします。 ここからは開業届を書くときの流れを具体的にみていきましょう。開業届を税務署に提出する
開業後1ヶ月以内に納税地の税務署に「個人事業の開業・廃業届書」を提出します。 これがいわゆる開業届です。 開業届には生年月日やマイナンバーといった必要事項を記入します。 開業届は税務署に行けば手に入りますが、最近では「freee」や「マネーフォワード」などを利用すれば、数十分で作れます。 作った開業届は税務署へ郵送すれば手続きは完了です。 オススメなので、ぜひご利用ください。屋号を決める
屋号とは、店や事務所の名前のことです。 個人事業主でも屋号を決めることができます。 屋号を決めるときは、覚えてもらいやすいようになるべくシンプルでわかりやすい名前にするのがオススメです。 屋号は開業届を出した後でも決められるので、深く考える必要はありません。青色申告承認申請書を提出
開業届を提出するときに「所得税青色申告承認書」も一緒に出すのをオススメします。 青色申告承認申請書の提出は必須ではありませんが、青色申告をして税務処理をしたい方は出しておきましょう。 青色申告承認申請書を出すメリットはいくつかありますが、一番は節税です。 電子申告を活用することで、最大年間65万円分を所得から控除できます。 また青色申告承認申請書も、freeeやマネーフォワードを使用すれば開業届を作成するときに一緒に作成できます。個人事業主の税金はどうなるの?
個人事業主は4種類の税金を支払う必要があります。- 所得税
- 消費税
- 住民税
- 個人事業税
所得税
所得税とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に事業を通じて得た所得に対して課せられる税金です。 個人事業主が所得税の納付をするときは確定申告を行います。 確定申告とは、売上から経費を差し引いた利益をとりまとめて所得にかかる税金を計算し、国(税務署)に納めるべき税額を報告する手続きのことです。 1年に1回行い、1月1日~12月31日の所得と納める税額を計算し、翌年の2月16日~3月15日税務署に報告・納税するまでが確定申告の流れです。消費税
個人事業主が消費税の課税対象になる条件は以下のとおりです。- 課税期間より前々年(基準期間)の課税売上高が1,000万円超
- 前年の1月1日~6月30日の課税売上高、または給与支払額が1,000万円超
- 消費税課税事業者選択届出書を提出している
住民税
住民税は確定申告をした後に、4等分に分けて納付する税金です。 納付期間は以下のとおりです。- 6月末日
- 8月末日
- 10月末日
- 翌年1月末日
個人事業税
個人事業税は都道府県に対して納付します。 個人事業主が事業をするうえで、行政サービスを利用している経費の一部を負担するための税金です。 しかし個人事業税には「事業主控除」という控除があります。 収入から経費を引いた所得が290万円以下だった場合は、個人事業税は発生しません。個人事業主の年金や保険はどうなるの?
個人事業主の年金や保険について解説します。 個人事業主には加入できない年金と保険があり、対策をしていないと損をすることもあります。 個人事業主になる前に、ぜひ参考にしてみてください。国民年金に加入
個人事業主は会社に勤めていないため、厚生年金には加入できません。 そのため国民年金に加入する必要があります。 また会社員のように、厚生年金と国民年金の二階建てにできないため、将来もらえる年金は少なくなってしまいます。 しかし、フリーランスのような「第一号被保険者」が加入できる国民年金基金を活用して上乗せすることも可能です。 また積立NISAやiDeCo(確定拠出年金)のような国がオススメする資産運用でカバーすることも視野に入れておきましょう。国民健康保険に加入する
フリーランスが加入できるのは、国民健康保険です。 会社を退職して健康保険から国民健康保険に切り替えるには、14日以内に所在地の市区町村に届け出なくてはいけません。 しかし会社員時代に所属していた頃の健康保険を継続する「任意継続」を行なえば、加入していた健康保険の福利厚生を引き継ぐことが可能です。 任意継続を行える条件は以下です。- 自己負担額が増える
- 加盟期間に2年の制限がある
- 退職後、20日以内に必要書類を健康保険組合に送る
- 退職後、2ヶ月以上国民健康保険に加入しなくてはいけない
フリーランス・個人事業主は開業届を出しているかの違い
フリーランスは雇用形態で、個人事業主は開業届を出して事業をしている人のことです。 個人事業主は税対策や年金・保険の考え方が会社員とは大きく違います。 少しずつでいいので理解を深めていくのも重要です。 今回の記事がそのきっかけになれば幸いです。この記事のまとめ
- フリーランスは雇用形態、個人事業主は開業届を出して事業をしている人
- 個人事業主は開業届と青色申告承認申請書を出すことで節税できる
- 個人事業主は国民年金のみに加入できる
- 国民年金基金や積立NISA・iDeCoを使用して二階建て保険を作る
- 保険は国民健康保険のみ加入できる