Google MapsにAI「Gemini」を本格統合した新機能「Ask Maps」と、刷新されたナビゲーション体験「Immersive Navigation」を発表しました。
Googleは今回のアップデートを「10年以上で最大のナビゲーション進化」と位置づけており、地図アプリの使い方そのものが大きく変わろうとしています。
「検索ボックスに打ち込む時代」が終わる
これまでGoogleマップで調べ物をするとき、「渋谷 カフェ WiFiあり」のようなキーワードを入力して、数十件のリストをスクロールしながら自分に合った場所を探すのが一般的でした。
Ask Mapsでは、そのキーワード検索が「会話」に置き換わります。
たとえば、次のような質問がそのまま入力できるようになりました。
- 「スマホの充電が切れそう。長い行列に並ばずに充電できる場所はある?」
- 「今夜、照明がついている公営のテニスコートでプレーしたい」
- 「グランドキャニオン、ホースシューベンド、コーラルデューンズを回るついでに、おすすめの立ち寄りスポットを教えて」
これまであれば複数のサイトを横断して調べる必要があったような複雑な質問に、Geminiが一括で答えてくれます。

結果はカスタマイズされた地図とともに表示され、選択肢を視覚的に比較することも可能です。
3億か所のデータ+5億人のクチコミが回答の根拠に
Ask Mapsが参照するのは、Googleマップに登録された3億か所以上のスポット情報と、5億人以上のユーザーコミュニティによるクチコミデータです。
隠れたハイキングルートの入り口や、無料で入場できるコツなど、地元のリアルな情報もGeminiが要約して提供してくれます。
さらに、Ask Mapsはユーザーの過去の検索履歴や保存済みスポットをもとに、回答をパーソナライズします。

たとえば「ミッドタウンから来る友人と7時に4人で使えるこぢんまりしたお店はある?」と聞くと、普段ビーガン料理を好んでいることを把握したうえで、それに合ったお店を提案してくれます。
ナビも「3D視覚体験」へ!Immersive Navigation
Ask Mapsと同時に発表された「Immersive Navigation」は、運転中のナビゲーション画面をリアルな3D表示に刷新する機能です。
建物・高架・地形が立体的に描画されるようになり、車線・横断歩道・信号・一時停止標識などの道路情報も重ねて表示されます。
この3D描画はGeminiがStreet Viewと航空写真を解析することで実現しており、常に最新の現地情報が反映されます。
音声案内も「500メートル先を左折してください」という機械的な表現から、「この出口を通り過ぎて、次のイリノイ43号線南行きの出口へ進んでください」というより自然な言葉遣いに変わります。
また、ルートの広域プレビューや、代替ルートのメリット・デメリットの比較表示、駐車場の事前確認など、ドライバーの不安を先回りして解消する機能も追加されました。
現在の提供状況
Ask Mapsは現在、アメリカとインドでAndroid・iOSに向けてロールアウトが始まっており、近くデスクトップ版にも展開される予定です。
Immersive Navigationもアメリカでの提供がスタートしており、CarPlay・Android Auto・Google Built-in搭載車にも順次対応予定とされています。
[speech_balloon_left2 user_image_url="https://digital-hacks.jp/blog/wp-content/uploads/2022/09/man_04.jpg" user_name="デジハク編集長"]日本語版・日本国内での提供時期は現時点では未発表ですが、今後の展開が注目されます。
広告との関係は?
発表に先立つ記者説明会で、Google側は「現時点ではAsk Maps内に広告は含まれていない」と明言しました。
ただし、将来的な広告導入については「否定しない」とも述べており、今後のマネタイズ戦略が注目されます。
Googleマップはこれまで主に広告・プロモーション掲載・APIライセンス料を収益源としており、20年以上の歴史の中で「収益化が手薄」と指摘されてきた事業です。
AIを前面に出したリニューアルが、この状況をどう変えるかも業界の関心を集めています。
まとめ:地図は「検索するもの」から「話しかけるもの」へ
今回のアップデートは、Googleマップという誰もが使い慣れたアプリに「会話AI」という新しいレイヤーを加えたものです。
「どこに行けばいいかわからない」という曖昧な問いに、AIが文脈を読んで答えてくれる体験は、検索の概念そのものを変えていく可能性があります。
ChatGPTやClaudeといったAIチャットの普及で「AIに聞く」習慣が定着しつつある今、その体験が地図・ナビという日常インフラに組み込まれたことの意味は大きいと言えるでしょう。

今後の日本展開にも、ぜひ注目してみてください。
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