この記事でわかること
- 経費として認められるものの基準や条件
- 経費計上のメリット
- 経費を効果的に節税するための戦略
- 青色申告と白色申告の違い
- 経費で落とせるもの種類別一覧
- 間違いやすい経費の扱いや注意点やリスク
経費をうまく活用して節税したいけれど、どこから始めればいいのかわからない…と悩んでいる方、必見です!
この記事ではお金を使った時に税金をどう減らせるか、そしてどんなものが税金を減らすのに役立つかを簡単に説明しています。
ビジネスオーナーや個人事業主の方はもちろん、節税に関心のある人も、節税の知識を身に付けて賢くお金を管理しましょう。
経費節税の基本とその仕組み
- 事業を営む過程で自然発生的かつ避けられない費用
- 事業の維持・発展に直接的に貢献すると判断できる費用
上記の費用を指します。
また、その支出が事業の売上に対して直接的な影響を与えるものであり、私的な使途でないことが条件です。
例えば
- 事務所の家賃
- 従業員の給与
- 広告宣伝費
などが挙げられます。
これらの経費を適正に計上するには、領収証や契約書といった証拠を保管し、正確な記録をつけることが大切です。
経費計上のメリット
経費を計上する最大のメリットは税金の軽減です。
経費として認められる支出を正しく計上することで、事業の利益を実際よりも小さく見せることができ、それにより支払うべき所得税や法人税が減少します。
この結果、節税につながり、事業のキャッシュフローが改善されることにもなります。
また、経費計上を適切に行うことで、財務状況が正確に把握でき、経営判断に必要なデータの品質を高める効果もあります。
さらに、将来にわたる予測や計画を立てやすくなるため、長期的な視野での事業戦略の策定にも役立ちます。
節税に役立つ経費の種類
節税に役立つ経費にはいくつかの種類があります。
- 交通費
- 通信費
- 接待交際費
などの日々の運営に関わる費用はもちろん、研修費や福利厚生費といった従業員のスキルアップやモチベーション向上に資する費用も含まれます。
設備投資の
- 減価償却費
- リース料
- 研究開発費
なども経費計上が可能です。
これらを適切に管理し、経理処理することで節税効果が見込まれます。

ただし、経費を計上する際は、税務調査に備えて適切な証拠を保持しておくことや、税法の変更に注意を払うなど、慎重に行う必要があることには注意が必要です。
他の経費で落とせるものに関しては、種類別にして下記で詳しくお話していきます。
個人事業主と法人の経費の違い
個人事業主も法人も経費を計上することによって所得を調整し、税金の負担を軽減することができます。
あくまでビジネスに必要な経費であれば
- 旅行費
- 接待費
- 宣伝広告費
など多岐にわたります。
ただ、個人事業主と法人では経費の計上にあたって留意すべき点が異なるので、それぞれの特徴を理解することが重要です。
個人事業の場合、所得に対して直接経費を差し引くことで税負担を抑えることが可能となります。
反面、仕訳を含む帳簿管理は事業主自身の責任となるため、ビジネス用と個人用の費用を明確に分けて管理する必要があります。
一方で法人の場合には、法人税の計算過程で経費を経理処理し、所得を減少させます。
ここでポイントとなるのは、法人には個人事業主に比べてより複雑な税務上の規則が存在することです。
法人化した組織は支払済みの消費税を差し引くことができるなどのメリットがありますが、帳簿の整備や文書保管の義務など、きちんとした経理管理体制の構築が求められるのです。

経費節税をうまく活用するためには、適切な経費の計上はもちろんのこと、レシートや請求書といった証憑を整理し、必要に応じて専門家のサポートを得ることが肝心です。
税務の専門家に相談しながら、経理や節税対策を行うことで、事業の持続可能な成長に繋げることが可能となるでしょう。
経費削減のコツ
企業運営にとって、経費削減は避けて通れない重要な課題です。
不必要なコストを見極め、エフィシエントな運営を目指すことにより、財務状況を健全に保ち、経営の安定化を図ることができます。
この過程で、普段見過ごされがちな小さなポイントに気を付けるだけで、大きな節約に繋がることもあります。
経費を削るための基本戦略
経費削減へ向けた基本戦略を構築する際、最初に行うべきは、現状のコスト構造の洗い出しです。
全ての経費項目を明確にして、どこにどれだけの費用がかかっているのかを把握することが重要になります。
次に、無駄となる出費を特定します。
不要なサービスや契約を見直し、節約可能な箇所をピックアップしていきます。
重要なのは、一度に大幅な削減を行うのではなく、持続可能な節約策を適用することで、業務や社員のモチベーションに悪影響を及ぼさないように配慮する点です。
削減策の一例としては
- オフィスの無駄なスペースを削減する
- 電気や水道などの公共料金のコストを見直す
などが挙げられます。
また、交通費の節約には
- リモートワークの導入
- オンライン会議の活用
などが効果的です。
事務用品の購入においても、まとめ買いや代替品の検討によってコスト削減が可能です。
インクや紙のような消耗品も長期的にみると大きなコストになるため、こうした小さな節約が積み重なって大きな効果を発揮します。
また、従業員の意識改革も重要です。
経費削減を企業文化として根付かせ、各自が日常的にコスト意識を持って行動するよう促すことで、全体としてのムダが省かれるでしょう。
経費を削る戦略は、企業の持続的な成長を支える基盤となるため、継続的な見直しと改善が求められます。
経費削減は一度のイベントではなく、継続するプロセスであると認識し、日々の業務に取り込むことが大切です。
デジタルツールを利用した効率化
デジタルツールの利用による効率化は、コスト削減に大いに役立つ手法の一つとして注目されています。
例えば、クラウド会計ソフトを導入することにより、伝票の入力作業を自動化し、人件費の節約を図れます。
また、仮想会議ツールを積極的に活用することで出張費用の削減が可能です。
効率化が進むことで必然的に作業時間の短縮にもつながり、長期的には多くの経費を削減できると言えるでしょう。
節税対策としての経費管理
経費となる支出を適切に計上し、必要な書類の整理と保存を徹底することが重要です。
特に税務調査を受けた場合に問題になりやすい接待費や交際費は、適正な範囲内で使われていることを明確にしておく必要があります。
経費削減を行うことは企業の利益向上に直結しますが、節税もまた同様に重要です。
経費管理の精度を高めることが、無駄な税金支払いを防ぎ、結果的に経費削減につながると考えられます。
無駄を省くためのポイント
無駄遣いは経費削減の大敵となります。
経費削減では、社内の無駄を徹底的に洗い出し、省くべき点を見極めることから始めます。
まず、日常業務の中で行われている無駄なプロセスを見直し、改善策を講じることが重要です。
紙文書の使用を減らして電子書類化を推進することでオフィスの消耗品費用を減らすことも効果的です。

さらに、固定費の見直しにより、不必要なサービスや契約の停止も検討しましょう。
電力や水道などの光熱費も、無駄な利用を抑えることによって大幅な節約が可能です。
各種経費の削減を図ることで、企業全体のコストパフォーマンスを高め、より効果的な資金運用につながります。
経費を効果的に節税するための戦略
企業や個人事業主が利益を最大化させるためには、適切な節税策が欠かせません。
経費の計上方法を見直すことで税額を減らすことが可能となるため、税金の基礎知識を身につけ、財務状況に応じた戦略を練ることが重要です。
具体的な節税方法を探りつつ、法的な規制内で最適な経費計上の方法を探求しましょう。
青色申告と白色申告の違い
税金の申告には
- 青色申告
- 白色申告
上記の二つの方式があります。
それぞれの特徴を理解し使い分けることで、税負担を軽減できる可能性があります。
青色申告は事前に届出が必要であり、簿記の知識がある程度求められるものの、65万円の特別控除や家族手当、さまざまな損益通算が可能となります。
これに対し、白色申告は比較的簡単な記録で済みますが、控除の面で青色申告ほどのメリットはありません。
とはいえ、青色申告を行うための準備や維持が難しい場合は、白色申告での申請も検討する必要があります。
個々の事業内容や収益状況、また記帳の負担を比較検討し、自身のビジネスにとって最適な選択を行うことが賢明です。
この選択により、将来の税負担が大きく変わる可能性があるため、専門家の意見を参考にしながら、じっくりと検討することを推奨します。
経費削減と節税のバランス
無闇な経費削減は品質の低下や業務効率の悪化を招きかねません。
優れた節税戦略は経費の見直しから始め、不要なコストを省きつつ必要な投資は惜しまないことが肝心です。
経費削減を進める際には、長期的な視点を持ち、業務の効率化につながるITツールへの投資のように、将来的に節税に寄与する可能性があるものを選択すべきです。
また、税制の変化を常に把握し、税務アドバイザーと密接な連携を取ることで、節税効果を高め、経費管理のバランスを最適化することが可能になります。
領収書やレシートの管理方法
経費の正確な管理は節税の重要な一歩です。
領収書やレシートは、経費発生の証拠として不可欠ですが、これらを整理し、適切に保管することは面倒に感じることもあるでしょう。
最新のクラウドサービスを活用すると、これらの書類のデジタル化と適切な保管が容易になります。
これらのサービスは、撮影したレシートを自動的にデータ化し、分類する機能を備えているため、手作業による入力ミスを減らし、記録の正確性を高めることができます。
また、デジタル化されたデータは適切なアクセス管理を施すことでセキュリティを確保でき、税務調査の際にも迅速な対応が可能になります。
税務申告時には、これらの記録がスムーズに活用できるよう、経費の性質ごとに分類し、必要に応じてそれぞれの項目の詳細を把握できる体制を整えることが望ましいでしょう。
経費で落とせるもの種類別一覧
企業で出費が発生した際には、経費として計上することができ、税務上の利益を抑える効果があります。
経費を正確に把握し、適切に処理することが経営の健全性を保つ上で不可欠です。
- 交通費・出張経費
- 通信費
- 広告宣伝費
- 消耗品費
- 接待交際費
- 研究開発費
- 教育研修費
- 賃借料
- 減価償却費
- 福利厚生費
- 外注費
- 旅費交通費
- 水道光熱費
- 図書費
- 会議費
ここでは、上記の主要な経費について、それぞれどのような費用が落とせるのか、さらにその具体例をご紹介します。
交通費・出張経費
交通費や出張経費は、顧客訪問や取引に関わる移動にかかる費用で、経費として処理が可能です。
具体的には
- 電車、バス、タクシーの運賃
- 自動車のガソリン代
- 高速道路の通行料
などが含まれます。
また、飛行機や新幹線を使用した場合の切符代金も、出張がビジネス目的であれば経費として計上できます。
宿泊費や食事代も出張に必要な経費なので、領収書をしっかり保管しましょう。
ただし、プライベートな移動や通勤費用は原則として経費にはなりませんので注意が必要です。
通信費
通信費とは
- 電話
- ファックス
- インターネット利用料金
など、情報通信にかかる費用を指します。
ビジネス上の連絡、データ送受信に不可欠な通信手段の料金は経費に含まれるため、領収書や契約書をもとに正確に計上することが重要です。
携帯電話やスマートフォンの料金も、業務で使用している場合は通信費として認められますが、私的利用の割合に応じて経費を按分することが求められる状況もあります。
そのため、利用の内訳を明確にすることが望ましいです。
広告宣伝費
広告宣伝費として計上できるのは、企業がその製品やサービスの販促を目的としたさまざまな宣伝活動に関わる費用です。
例として、新聞、雑誌、テレビなどの
- マスメディア広告費用
- ウェブサイトでの広告費
- チラシやカタログの制作費
- 展示会・イベントの開催費用
などが挙げられます。
ノベルティーや記念品の制作費も広告宣伝費に含まれます。
公開する広告の内容が事実に基づいていれば、支出した費用を経費処理することができます。
消耗品費
消耗品費とは、日々の業務遂行において消費される物品の購入にかかる費用です。
- 文房具
- プリンターのインク
- トイレットペーパー
- お茶
- 掃除用具
など、一定期間で使い切るようなものがこれに該当します。
消耗品は日常的に利用するため、小規模であっても経費の総額が意外と大きくなることがあります。
しっかりと管理し、経費として計上することで税務上の利益を適正に反映させることができます。
接待交際費
顧客や取引先との関係構築を目的とした接待や飲食に関連する費用が接待交際費です。
- 会食にかかる食事代
- ゴルフなどの娯楽に要する費用
などが含まれますが、その際のレシートや明細は必要になります。
接待交際費は一定の制限があるため、全額が経費とは限りません。
支出額に応じて一部が損金不算入になる場合があり、事前に税法の理解が求められる部分です。
研究開発費
製品やサービスの開発に関わる研究開発活動のための支出が研究開発費です。
- 新たな製品の設計
- 開発
- 実験
- 試作品の製作
などにかかる費用が含まれます。
また、特許取得のための費用や、新技術習得に必要な研修費用も研究開発経費に計上可能です。
知的財産の取得など将来の企業価値を高めるための投資としても重要であり、経費処理の際には研究開発の内容や結果をしっかりと記録に残すべきでしょう。
教育研修費
社員のスキルアップを図る教育研修は、企業発展のために不可欠です。
- 研修参加費
- オンラインコースの受講料
- 講師に支払う謝金
などがこの経費に含まれます。
書籍や教材の購入費用もここに該当しますし、研修の旅費や宿泊代も教育研修費として処理が可能です。
ただし、個人の趣味に関する教育や研修は例外となりますので、業務に直結する内容であることを確認する必要があります。
賃借料
事業運営に必要な
- オフィス
- 店舗
- 倉庫
などの賃貸料は、賃借料として経費計上ができます。
レンタル機材や車両のリース代も含まれることが一般的です。
これらは企業活動を維持する上で欠かせない固定費として、長期に渡り安定的に支出される傾向があります。
注意点としては、契約内容を適正に評価し、私用での使用が混在しないようにする必要があります。
減価償却費
企業が所有する
- 設備
- 機械
- 建物
などの資産は、使用に伴い価値が減少していきます。
この価値の減少分を計上するのが減価償却費です。
税法に基づいた計算方法に従い、耐用年数に応じて経費を按分します。
これにより、資産のコストを適切に経営に反映させることができます。
対象資産の範囲や計算方法にはルールがあり、細かな規定に基づいて処理することが要されます。
福利厚生費
社員のモチベーション維持や健康管理、レクリエーション活動に関する費用が福利厚生費です。
例えば
- 健康診断の費用
- 社内イベントの経費
- 福利厚生施設の運営費
などがこれに該当します。
社員が安心して働き続けられる環境を提供するため、これらは経理上重要な費用として位置付けられています。
ただし、個々の社員への対価ではなく、全体を対象とした費用である点がポイントです。
外注費
企業が外部の専門家や他社に業務を委託する際に発生する費用が外注費です。
これには
- デザイン制作費
- システム開発費
- コンサルティング料
など相手先に支払う報酬全般が含まれます。
業務の効率化や専門性の高い課題解決のためには外部リソースを活用することが不可欠であり、それに伴う費用も経営上重要な位置を占めます。
契約内容を明確にし、正当な対価であることを確認することが必要です。
旅費交通費
出張や営業活動に関わる旅費や交通費は、業務執行上やむを得ない経費として認識されています。
- 宿泊代
- 交通機関の利用料金
- タクシー代
などが旅費交通費にあたり、業務に直結したものでなければなりません。
レシートや領収書の保管が必要であり、不正確な計上を避けるためにも詳細な記録が求められます。
水道光熱費
事業活動を行う上で欠かせない
- 水道
- 電気
- ガス
といった光熱費も経費として計上することができます。
これらは直接的に業務遂行と関わりがあり、不可欠な環境を提供するためのコストです。
月額や契約に基づき毎期の経費として計上されるため、支払いの管理がしやすい一方で、節約策を検討することもコスト削減の観点から有効です。
図書費
- 専門書籍
- 業界誌
- 参考書
など、業務上参考になる書物を購入するための費用が図書費です。
学習や研究、情報収集などの目的で利用され、知識の獲得や技術向上に寄与します。
この経費を通じて、社員が最新の情報に触れ、業務に活かすことができます。
しかしながら、私的利用が混ざらないよう注意が必要です。
会議費
社内外の打ち合わせや商談にかかる会議費も、経営における重要な経費の一つです。
- 会議室の使用料
- 飲食代
- 資料の印刷費
などがこれに含まれ、円滑なコミュニケーションのために必要不可欠です。
業務遂行のために効果的な討議を行うためのコストとして認識されており、費用対効果を見極めながら利用することが大切です。
間違いやすい経費の扱いや注意点
経理の世界では経費計上のミスが経営に大きく響くことがあります。
特定の支出が経費として認められるかの評価は、しばしば誤解を生みます。
適切な経費処理を行うためには、税法上の基準を押さえることが必要ですし、企業によっては内部規定にも注意を払うべきです。
ここでは、経費としての扱いに注意が必要な代表的な項目と、その処理方法のポイントを解説していきます。
誤解されがちな経費
企業活動において必要とされる様々な支出がありますが、全てが経費として認められるわけではありません。
例えば、接待費や交際費は、ビジネスコミュニケーションの手段として広く利用されますが、税法上の限度額や適用条件が厳しいため、適切な処理が求められます。
また、社員の福利厚生に関わる支出も、事業との関連性や社員全体への平等性などが検討されることになります。
さらに注意すべき点として、役員の報酬や出張費が上げられます。
役員報酬に関しては、その額が妥当であるかどうかがポイントになり、適正な範囲を超えると否認されることがあります。

出張費も同様に、出張の必要性や経済性が問われ、私的な要素が含まれる支出は経費の対象外とされることがあります。
消耗品や備品の購入に関しても、購入時の一回で経費に計上するのか、長期にわたって減価償却するのか、その区分は非常に微妙です。
一定の金額を基準に減価償却資産として処理することが通例ですが、事業ごとの運用基準に注意が必要です。
このように、経費として計上できるかどうかは、多岐にわたる要因を考慮する必要があります。
正確な経費処理のためには、各項目ごとに税法上の定義を理解し、実務での扱い方を覚えることが大切です。
私的な費用と仕事の境界線はどこから?
経費の適切な使用は、事業の透明性を保つために欠かせません。
経費の私的な使用は、税務的な不正行為につながりかねないため、注意が必要です。
仕事で必要な経費は、例えば出張の際の交通費や宿泊費、業務に関連する備品の購入費などが含まれます。
一方、プライベートのための出費、例えば友人との食事や個人的な趣味のための品を購入する費用は、原則として経費として計上できません。
経費の私的利用が疑われると、税務調査を招く原因にもなり得るため、会社は経費の適正な管理を徹底する必要があります。
仕事と個人の出費は明確に分け、疑問点があれば税理士など専門家のアドバイスを仰ぐことが望ましいです。
自己の責任において経費の境界線を守る姿勢が求められるのです。
監査時に注意したい経費の記録
企業活動において必要不可欠な経費は正確に記録されるべきであり、監査時には特に精密なチェックが求められます。
経費の記録にあたっては、領収証や発票の保存が必須です。
- 記入漏れや訂正箇所がないか
- 日付や金額
- 使途の明確さ
上記の点が重要になります。
さまざまな経費の中でも特に交通費は紛らわしい場合が多いため、出張の目的や移動経路を詳細に記述することが重要です。
レシートやメモが不鮮明でないかも監査の対象になるため、常に読みやすく保管する心がけが要されます。
接待費や会議費についても同様です。
参加者の名簿を残す、接待の目的を示すといった方法で、適切な記録を行うことが求められます。
不明瞭な経費の記録は、時に企業の信頼を損ねる原因となり得るため、正確さに加え、透明性を保つための努力が不可欠です。

税務調査を受ける可能性もありますから、税法に基づいた適正な経費計上が行われているかを確認することも忘れてはなりません。
仮に税務上の問題が発覚した場合、追徴税金のほかに罰金や延滞税が課されるリスクもあり、企業の財務状況に大きな影響を及ぼしかねません。
経費の記録は日常的に丁寧に行い、監査がスムーズに進むように努めることが大切です。
過剰な経費処理のリスク
経費処理に際しては、過剰な申請が企業経営に及ぼす負の影響を軽視しがちです。
適切な管理が行われていない場合、不正が発覚し組織全体の信頼性が低下する恐れがあります。
経費の監査においては、通常より多額の時間と労力が割かれることになり、結果的に他の業務への支障に繋がる可能性が考えられます。
また、従業員間での公平性の問題が生じ、職場環境の悪化を招くこともあります。
税務調査時のリスクも高まり、場合によっては罰則を受けることも否定できません。
これらのリスクを防止し、健全な経理体制を維持するために
- 適正な経費管理システムの導入
- 従業員への継続的な教育
などが必要不可欠です。
会社としてのコンプライアンス体制の強化と透明性の確保が求められる中、過剰な経費処理に対する意識を改めて高めることが重要です。
まとめ
この記事では、経費計上による節税の仕組みや、経費として認められるものにはどのような条件が必要なのか、落とせる範囲についてお話してきました。
経費計上は、事業に必要な支出を正確に計上することで適切な税額を算出し、過不足ない税金の支払いを実現するために重要です。
このシステムを利用するメリットは、税金の適正な負担だけでなく、経営管理上の明確な資金計画を立てやすくなることにもあります。
経費として認められるものを適切に管理し、必要な書類を保管する徹底が事業の健全な運営に役立ちます。
節税対策として有効に利用していきましょう。
- 事業を営む過程で自然発生的かつ避けられない費用
- 事業の維持・発展に直接的に貢献すると判断できる費用
- 交通費
- 通信費
- 接待交際費
- 研修費や福利厚生費
- オフィスの無駄なスペースを削減する
- 電気や水道などの公共料金のコストを見直す
- 交通費の節約には、リモートワークの導入やオンライン会議の活用が効果的
- 事務用品の購入では、まとめ買いや代替品の検討によってコストを削減する