この記事でわかること
- UI/UXデザインそれぞれの特徴と違い
- 仕事が途切れないUI/UXデザイナーになる方法
- UI/UXの資格取得におすすめの3選
- UI/UXデザインを活かした作品やサービス
Webデザインについて調べているとUI/UXという言葉を聞くことがありますが、その違いを説明するのはむずかしいでしょう。
そこで本記事では、
- UI/UXデザインの違い
- UI/UXデザイナーになる方法
- UI/UXデザインの作品事例
を紹介します。
「UI/UXデザインとは何?」「UI/UXデザイナーになるには?」などの疑問も解決しますので、ぜひ参考にしてみてください。
UI/UXデザインとは?|それぞれをわかりやすく解説!
マーケティング業界、クリエイティブ業界でよく耳にするUI/UXデザイン。(読み方はユーアイ/ユーエックス)
UI/UXデザインをわかりやすく説明すると「ユーザー体験を設計する概念」です。
近年、このUIとUXの考え方がWeb上においても、大変重要視されています。
まずは、UIとUXとはをわかりやすく解説し、またどのような立ち位置なのかを紹介していきます。
UI(ユーザーインターフェース)デザインとは?
UIとはユーザーインターフェースの略で、「ユーザーと製品やサービスとの接点」という意味で使用されています。
例えば洋服を購入するときなら、デザインや着心地・機能性が優れているかなどを確認するでしょう。
Web上におけるUIとは、使いやすさや見た目のよさを表しています。
具体的には、
- 文字の形や大きさが見やすい
- サイトに使用されている画像の質がいい
- ボタンがわかりやすい
・・・など、ユーザーがWebを利用する時に目にする情報すべてを指します。
Webサイトにも洋服を購入するときと同じようなことが求められるため、UI設計がとても大切になってきます。
UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインとは?
UXはユーザーエクスペリエンスの略で、商品やサービスを購入するときに得られるユーザー体験(顧客体験)を指します。
今までは、サービスの品質や機能性などのUIの側面が重視されてきましたが、近年では同時にユーザー体験(顧客体験)が求められています。
「UXとは」を例に上げるなら以下の通りです。
- 入力画面がわかりやすい
- 必要な商品(サービス)が検索しやすい
- 注文商品が早く届く
UXはWebサイト上で完結するものではありません。
商品やサービスが届いてからのサポート体制や梱包のこだわりなどを考える販売戦略に必要なように、UXとはビジネスにおいても大変重要なポイントとなります。
ux/ui の違いは?
UIとUXは同時に使われる事が多いため同じような意味に捉えられがちですが、違いがあることが理解できたかと思います。
UIは「UXの大きな枠の中の一部」というイメージです。
つまり効果的なUXデザインをするためには、UIの要素が非常に重要になってきます。
上質なUXデザインを顧客に提供するために時間や経費をかけて開発、設計をする必要があります。
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Webデザインで例えるならば、UIは、Webサイトの機能の使いやすさに対してUXはインターネット上やリアルな場での体験です。
ui/uxがwebデザインに必要とされている理由
UI/UXデザインは、Webサイト設計やデザインをするにあたり、大切な概念のひとつです。
せっかくWebサイトにユーザーが訪れても、以下のようなことが発生したらどうでしょうか。
- アプリが立ち上がるのに時間が必要
- 画面が見づらい
- ボタンなどの機能面が使いづらい
- 入力フォームがわかりづらい
快適なユーザー体験を阻害するような要因が発生した瞬間、残念ながらユーザーはサイトを離れてしまうでしょう。
このような点は開発段階でUI/UXデザインの概念に沿ってWebサイト作成ができていれば、企業側で事前に回避できる課題のひとつです。
また、Webマーケティングの世界で知っておきたい用語のひとつにCall To Actionの略語で「CTA」というものがあります。
CTAは成約や購入に直接的に繋がるボタンやテキスト、画像などのことを指します。
例えばこのような顧客の行動喚起を促すようなボタンを、適切なデザインでわかりやすい位置に設置することでコンバージョン率を高め、満足度の高いユーザー体験を用意することができます。
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このように、「ユーザー体験を設計する概念」であるUI/UXデザインはWebサイト設計時にはかなり注力するべき点。
UI/UXデザインを成功させる4つのコツ
UI/UXデザインは、思いつきですぐに設計できるようなものではありません。
そこで、UI/UXデザインを作成するときにおすすめの、4つのコツを解説します。
- ユーザー目線に立つ
- ゴール設定をする
- デザイン4原則を活用する
- 仮説検証を繰り返す
それぞれ具体的に解説します。
ユーザー目線に立つ
体験を意識したWebサイトやサービスを作るには、ユーザー目線に立つことが重要です。
既存のWebサイトをUI/UX改善する際も、この工程から始めるといいでしょう。
しかし、ユーザー目線といっても個人の体験や感じ方は人によって異なります。
ユーザーが求める体験を理解するには、徹底的にユーザーの心理を読み解くことが大切です。
この顧客の分析に役立つのが、ペルソナ設定です。
ペルソナ設定をすることにより、具体的に顧客行動を分析することが可能になるため、よりリアルなユーザー目線を捉えることができます。
ゴール設定をする
ユーザーの心理が理解できたうえで、次にゴール設定をします。
ゴール設定が曖昧であれば、UI/UX設計をしても求めているユーザーが集まらずに失敗するでしょう。
なぜなら、10代〜20代のような若者と30代以降のビジネスパーソンでは、デザインの好みが分かれるからです。
また、初心者をターゲットにするか、中上級者をターゲットにするかによってWebサイトの内容やデザインの方向性は大きく変わります。
ですから、ゴール設定をする際には、どのユーザーに向けて発信するかを考えたうえで、UI/UXデザインをしましょう。
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目標はできる限り具体的に設定しましょう。
デザイン4原則を活用する
Web上においての上質なユーザー体験には、見やすさや、わかりやすさがポイントになってきます。
そこで、デザイン4原則を活用したUI/UXデザインをおすすめします。
デザイン4原則は、「近接」「整列」「反復」「強弱」といったデザインの基本ルールに沿って作ることで、誰でもいいデザインに近づけることができるものです。
↓デザイン4原則を詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ
仮説検証を繰り返す
一度でユーザーが求めるWebサイトや商品・サービスの流れを作るのは難しいことです。
なぜなら、多くのユーザー行動やユーザー目線は、非常に複雑だからです。
そのため、ユーザーが求めるUI/UXデザインを設計するには、仮説検証を繰り返す必要があります。
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleと呼ばれるデータ分析ツールを使用して、Webサイトの購入率や離脱率などのデータを確認しながら、検証、課題提起、テストを繰り返していく事になります。
また、検証にはペルソナ設定をしたのち、カスタマージャーニーマップなども活用してみることをおすすめします。
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カスタマージャーニーマップを活用すると、より詳細なユーザー行動の分析ができます。ニーズを的確に捉えるならマストです。
仕事や案件が途切れないUI/UXデザイナーになるには?
UI/UXデザイナーは必要と言われていますが、現在はフロントエンドエンジニアが仕事を請け負っているのが現実です。
今後もUI/UXデザイナーの重要性は高くなるものの、フロントエンドエンジニアが業務を請け負うケースが増えるでしょう。
そこでここからは、UI/UXデザイナーが専門性を高めて活躍し続けるにはどのようなスキルが必要なのかを解説します。
コミュニケーション能力を高める
UI/UXデザイナーを目指すうえで、コミュニケーション能力の高さは重要です。
プロジェクトメンバーやクライアント・企業など多くの人達とやり取りをする必要があるからです。
プログラマー等との情報の共有や改善案を明確な指示と共に伝えなくてはいけません。
また、議論をする高いコミュニケーション能力も求められます。
相手に理解してもらうための会話力や提案力を身に着けておくのは、優秀なUI/UXデザイナーの条件のひとつです。
ブランディングやマーケティングをできるようにする
自社商品を市場にどのような認識や評価をしてもらえるのかを検討し、アピール方法を考えるといったブランディング力があると評価が上がるでしょう。
ほかにも業界の動向や広告運用に関するマーケティングスキルがあると、デザイナーとしての価値が上がります。
市場は常に変化をするので、状況にあったWebサイトを作る必要があるからです。
顧客行動の分析によってニーズを捉え、目的や課題の提案、さらにSEOの知識などもあるといいでしょう。
商品やサービスの販売戦略を1から考えられると、クライアントの仕事を請け負えます。
今後はWebデザインのスキルだけでなく、Webマーケターとして販促方法まで考えられるUI/UXデザイナーが求められるでしょう。
Webデザインスキルを高める
Webデザインのスキルを高めることもUI/UXデザイナーには必要です。
UI/UXデザイナーは、画像加工に必要なPhotoShopのスキルやイラスト作成ができるIllustratorのような基礎スキルに加え、After Effectsのようなアニメーションツールも使用できると、デザインの幅が広がります。
さらにAdobeXDのようなデザイン設計ができるツールを使用できれば、デザイン工程をすべて担えるので重宝されるでしょう。
常にユーザーのニーズに合ったデザインを提供するためにも、敏感にアンテナを張り、探求心を忘れずにいることも大切です。
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UI/UXデザインを勉強するなら本もおすすめ。「ui/uxデザインの原則」「uiデザイン必携」などは初心者、入門編としてもわかりやすく、人気の書籍になっています。
UI/UXの資格を取る
UI/UXデザイナーは資格の必要がない職業です。
しかし、資格を持っていることで、業務に必要な知識を得ることができます。
例えば、エビデンスを提示しながらUI/UXデザインの提案ができるなど、説得力や信頼性の高さをアピールすることができます。
また、資格を持っていることで報酬や役職のUPなども期待できます。
UI/UXの資格|おすすめの3選
UI/UXデザイナーが取っておくといい資格はいくつかありますが、こちらではおすすめの3選をご紹介していきます。
google ux designプロフェッショナル認定
まずは、Google提供のUXデザインプロフェッショナル認定です。
講座名は「UXデザインプロフェッショナル」でUXに特化した資格と思いきや、UIの基礎なども学ぶことができます。
UXデザインの未経験者向けとは言え、かなり深く勉強できる講座となっており、最後にはポートフォリオが作成できるのもメリット。
7つのコースにわかれており、約半年で修了できるカリキュラムとなっています。
デメリットとしては、全講座英語という点です。
ただし英語字幕はついていますので、ある程度の英語力がある方には是非おすすめの資格です。
ux検定基礎
「ux検定」は、2022年にできたばかりの資格でUXインテリジェンス協会で取得できる資格です。
UXインテリジェンス協会が定義する3段階のUXスキルのうち、一番初歩のビジネスパーソン向けで、まずはUX向上のための基礎スキルを身に着けるための内容となっています。
ux検定の合格ラインは公式には開示されていませんが、SNSなどで調査したところ、100点中70点台後半の方も合格されていました。
試験回によっても異なるかもしれませんがご参考までに。
人間中心設計(HCD)専門家資格認定制度
HCDとは人間中心設計のこと。
こちらの「人間中心設計(HCD)専門家資格認定制度」は、人間が使いやすい、究極のUXを生み出す専門家と認定される資格です。
ある程度の経験を積んだ上、試験やテストではなくレポートを提出して認定されるというものなので、実績が必要です。
何年かUI/UXデザイナーとして実績を積んだ後は、このような資格認定制度を利用して更なる高みを目指していくのもいいですね。
UI/UXデザインの作品事例
ここからは、UI/UXデザインの作品事例を紹介します。
UIの作品事例
ほぼ日ストア
「ほぼ日」はコピーライターの糸井重里氏が代表を務めるコンテンツ制作会社です。
ほぼ日が運営しているWebサイトの「ほぼ日刊イトイ新聞」や通販サイトの「ほぼ日ストア」は多くのユーザーに愛されています。
その理由の一つとして洗練されたUIデザインが挙げられます。
ほぼ日らしいあたたかみのあるイラストやシンプルなデザイン設計となっています。
読者が離脱しやすいと言われている登録フォームや購入画面は、導線がわかりやすく見やすい色合いなので、ユーザーも使用しやすいでしょう。
UXの作品事例
スターバックス
UXの成功事例としてよく挙げられるのは、スターバックスです。
スターバックスでは、コーヒーだけを販売しているのではなく、スターバックスでコーヒーを飲むといった体験に価値を感じて訪れている顧客が多いのが特徴です。
お店のインテリアやカップのデザイン・スタッフとのやり取りなど非日常体験のデザインに成功しています。
オールバーズ
オールバーズとは、地球環境を意識して作られた靴を販売している企業です。
レオナルド・ディカプリオやオバマ前大統領など海外の著名人も愛用しているシューズとして有名です。
オールバーズのWebサイトはシンプルで購入までの導線がわかりやすくでユーザー目線がうかがえますし、新作の紹介や特典情報が見やすい位置にあり、UI設計に優れています。
また商品が届いてからは、可愛いイラストの入った梱包で届きます。
靴紐も2色入っていて、商品を購入してからも楽しめるようになっており、ユーザーの体験を意識したサービスといえるでしょう。
UI/UXのデザインを極めてユーザー目線のサイトを作りましょう
UI/UXデザインの目線を持ってデザインをすることで、ユーザーにとって快適な購入体験ができるでしょう。
企業の売上や商品認知にもつながるので、デザインをする際は意識してみてください。
この記事のまとめ
- UIは見やすさを意識したデザイン設計
- UXは顧客の体験を意識したデザイン設計
- 優秀なUI/UXデザイナーはブランディングやマーケティング力が必須