動画編集を始める人にとって、「トランジション」という言葉はなかなか理解しづらいかもしれません。
実際、トランジションをうまく使うことで、素晴らしい動画を作ることができますが、初心者でもうまく使えるか不安に感じるかもしれません。
そこで本記事では、トランジションの基本的な説明と導入方法、自然なつながりを持たせるためのトランジションの使い方を解説します。
初めての動画編集でも、この記事を読めば独自の編集ができるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
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トランジションとは
まずはトランジションについて解説します。
トランジションとは、映像や音声の編集において、シーンや場面を切り替える際に使用される効果のことです。トランジションは、映像や音声の流れをスムーズにするために用いられることが多く、編集技術の基本的な要素の一つとして広く使われています。
トランジションを適切に使いこなすことで、より魅力的で視聴者を引き込む編集作品を作ることができるようになります。
トランジションは場面転換する効果(エフェクト)
トランジションは、日本語で「移行」などの意味があり、動画の前のカットから次のカットに切り替わる際の効果を指します。
トランジションにはいくつか種類がありますが、それらを単体で使ったり組み合わせて使ったりもできます。動画を演出するうえで重要な材料のひとつと言えますね。
これらのトランジションを使うことで、映像や音声の場面転換がスムーズになり、見やすくなる効果があります。
様々なトランジションがありますが、主要なものだけでも覚えておくと、表現の幅が広がり、シーンの繋ぎ方が上手になります。
トランジションを加えるメリット・デメリット
動画制作には欠かせないトランジション。
初めて使ってみようと思っている方への基礎知識として、トランジションを使うメリットとデメリットについてお話します。
<メリット>
トランジションを活用することで、映像や音声の流れをスムーズにすることができる事が最大のメリットです。視聴者が、飽きることなく観ていられる動画に仕上がります。
変化のない映像がずっと流れていては、動画にインパクトやストーリー性を感じられずに視聴者は飽きてしまいます。
動画を撮影するだけでは、トランジションを使った時と同じ効果を演出する事は不可能です。そこを補ってくれるのが、トランジションです。
トランジションを加えることで視聴者の興味や関心を惹きつけられます。
トランジションのある動画は変化があり、パッと観ても認識できるようになるので情報をわかりやすく伝える役割もあります。
動画の構成も大事ですが、トランジションを上手に使用して視聴者に長く観てもらえるように、映像を作りましょう!
<デメリット>
トランジションを使用する事によってのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
トランジションを過剰に使用すると、場面転換が過剰に強調され、映像や音声の見やすさを損ねることがあります。また、トランジションの種類や使い方によっては、不自然な印象を与えてしまうことも。
トランジションはあくまでも、場面切り替えをスムーズにしたり、ユーザーの注意を切り替えたり、目的を持って使用するエフェクトです。
乱用しすぎると、逆に注意が散漫になってしまったり、動画の内容が理解しづらくなるので気をつけましょう。
ですので全てのシーンにトランジションを使用するのは逆効果といえます。
大事なカットの切り替え部分など、適度に使用するのがポイント。
さらに、トランジションを多用すると動画の容量が大きくなってしまい動作が重くなってしまう場合もありますのでその点にも注意が必要です。
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トランジションの種類は?
トランジションとは、映像や音声のシーンや場面の転換をスムーズにするための効果であり、様々な種類があります。ここからは、代表的なトランジションの種類を6つご紹介します。
- ワイプ
- ブラックアウトとホワイトアウト
- 回転・スピン
- スライド・押し出し
- ズーム
- クロスディゾルブ
使用するトランジションの種類によって、映像の印象や演出が異なるため、作品のテーマやストーリーに応じて使い分けることが重要です。
また、適切なトランジションの選択によって、視聴者により鮮明で印象的な映像体験を提供することができます。それぞれのトランジションについて詳しく見ていきましょう。
ワイプ
ワイプとは、前のシーンが画面から消えると同時に新しいシーンが現れるような効果のことです。代表的なワイプの種類はこちらです。
- 縦ワイプ
- 横ワイプ
- 斜めワイプ
- 円形ワイプ
ワイプは、シーンの移行がスムーズで目立ちにくく、映像の継続性を保ちながら次のシーンへと移行することができます。
ワイパーのように真っすぐな線が通るような印象で、映像をすっきりと場面転換する効果があります。
ブラックアウトとホワイトアウト
ブラックアウトとは、画面が段々と暗転してから次のカットへ切り替わります。
同様にホワイトアウトとは、画面が段々と白みを帯びていき次のカットへ切り替わる効果の事を言います。
シーンの切り替えにメリハリを付けてくれて、変化を際立たせることができるため、より劇的な効果を演出することができます。
回転・スピン
回転・スピンは、前のシーンが回転しながら消え、次のシーンが回転しながら現れる効果のことで、文字通り映像が回転しながら画面が切り替わります。
回転・スピンは、場面転換を楽しげな印象に演出することができ、活発なシーンに適しています。
スライド・押し出し
スライドと押し出しは似ているため、2つにまとめました。
前のカットから次のカットが横から押し出されるような形で映像が切り替わるのが「押し出し」です。
前のカットが切り替わる際、次のカットが前の映像に重なるように切り替わるのが「スライド」と呼ばれています。
スライドはシーンの移行がスムーズであり、次のシーンへの移行を自然なものにする効果があります。
押し出しは、よくアニメーションなどで使われる事が多いトランジションです。ポップな印象にしたい時に使ってみて下さい。
ズーム
ズームは、前のシーンが徐々に拡大または縮小して消え、次のシーンが同様に拡大または縮小して現れる効果のことです。
ズームは、シーンの拡大縮小によって、効果的な空間的演出が可能であり、視聴者の目を引きます。また、ドラマチックなシーンにおいて、ズームアップ効果によって、キャラクターやオブジェクトの表情や詳細を強調することもできます。
スピード感や躍動感のある演出をしたいときにもおすすめのトランジションです。
クロスディゾルブ
トランジションの中でも、よく使われるのがクロスディゾルブです。
ディゾルブは英語で「溶ける」という意味があるように、前のシーンが徐々に透明になり、次のシーンが徐々に明確になるように現れる効果のことです。
クロスディゾルブは、次のシーンへの移行がスムーズで、前のシーンと次のシーンが繋がりを持っているように見せることができます。
他には「オーバーラップ」や「クロスフィード」と呼ばれています。
映像が消えていくフェードアウトと、徐々に次の映像に移るフェードインと呼ばれるエフェクトを組み合わせることで、映像の違和感が少ないため、長時間の映像作品などではよく用いられます。
映像に余韻を残した演出や、物語の回想シーンに使われることが多いので目にする機会が多いトランジションです。
ただし、あまりにも一つの動画内での使用頻度が高いと、退屈な印象を与える場合もあるため、注意が必要です。
その他にもたくさんのトランジションがあり、知っていくとどんどん動画制作が楽しくなりますよ。こちらのYouTubeでは、詳しく参考動画を交えて紹介されているので、参考にしてみて下さいね。
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動画編集初心者でもおしゃれにトランジションをつなげるコツ
動画編集において、トランジションの使い方は非常に重要です。
トランジションを上手に使うことで、動画の印象を劇的に変えることができます。「トランジションの種類はわかったけどどのように使用すればいいのか」と考えている方もいるでしょう。
ここでは、動画編集初心者でもおしゃれにトランジションをつなげるコツを紹介します。
紹介する動画のつなぎ方のテクニックを学び、どの場面で使用するか考えながら制作していくと、動画編集が楽しくなってきます。
少しのポイントを抑えておくだけでも格段に動画の編集技術がアップしますので、ぜひ参考にしてみてください。
要素をつなげる
一つめの方法は同じ要素同士をつなげる方法です。要素をつなげることで、トランジションがスムーズになり、映像の流れをより自然なものにすることができます。
例えば人物の手や足から次のカットにつなげたり、雨や雪のようなシーンでつなげたりするのが要素同士のつなぎ方です。
また、同じ色調やテーマを持つ要素を探し、それらをつなげるように編集すると良いでしょう。
例えば、同じ色合いの空と海を繋げる場合は、シーンが変わる前後の青色の濃度や色相を合わせることが重要です。
その他にも、BGMのリズムに合わせて、シーンの切り替えやトランジションを織り交ぜることも効果的です。
これらの方法を使うことで、見る人が気持ちよく動画を観ることができますし、動画のテーマを決めて連想ゲームのようにつなげていくと、センスのいい編集ができますよ。
同じ色や形状を持つ要素を使ってつなげると、統一感が生まれておしゃれな印象に。初心者でも比較的簡単に取り入れることのできる手法ですので、ぜひお試し下さい。
被写体の動きに合わせてつなげる
被写体の動きに合わせることで、トランジションがよりリアルなものになります。
例えば、ダンサーが右から左に移動していくシーンでは、スライドトランジションを使うと自然な流れが生まれます。
また、被写体の動きとトランジションの種類を合わせることで、より印象的な映像に仕上げることができます。
例えば、被写体が跳ね上がるような動きをしている場合は、ジャンプカットなどの素早いトランジションを使用することで、より効果的に表現することができます。
被写体の動きに合わせてトランジションを使うことで、より見やすく、おしゃれな動画に仕上がります。躍動感やリズム感が生まれるため、音楽のPVなどでもよく使われる手法です。
カメラの動きでつなぐ
カメラの動きを活かしてトランジションを使うことも、おしゃれな編集のコツです。
カメラが上に行った瞬間や横に移動している動きに合わせて、次のカットへ切り替える方法は定番です。
カメラがズームインする映像と次の映像が同じ被写体の拡大映像である場合には、カメラがズームインして被写体が拡大するようにつなぐことで、より自然な遷移を実現することができます。
また、カメラが回転しているシーンと、次のシーンが回転している場合には、回転しながらつなげることで、よりスムーズな遷移を実現することができます。
カメラの動きでトランジションをつなぐためには、撮影時にカメラをしっかりと操作することが重要になります。そして、トランジションをつなぐ際には、カメラの動きのスピードや向き、角度などを調整して、より自然な遷移を実現することが必要です。
これらの技術をマスターすることで、カメラの動きを活かしてトランジションを使い、より臨場感のある映像を作ることができるようになります。
インサートでつなぐ
インサートとは、映像中に他の映像を挿入することを指します。インサートを使うことで、トランジションをより効果的につなぐことが可能に。
例えば、次のシーンが始まる前に、被写体の拡大映像をインサートすることで、より自然な遷移を実現することができます。また、映像中に文字や画像を挿入することで、トランジションの情報を補足するのも効果的です。
インサートでトランジションをつなぐためには、挿入する映像を事前に用意しておくことが必要となります。
さらに、インサートする映像がトランジションの意図やテーマに合っているかを検討することも大切になります。雰囲気の合わない画像を挿入してしまうと、不自然で素人っぽさがでてしまうので注意しましょう。
これらの技術をマスターすることで、インサートでトランジションをつなぎワンランクアップした動画を作成することができるようになります。
インサートをうまく使って、シームレスなトランジションを繋げられるよう練習をしてみて下さいね。
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トランジションの使い方は?
トランジションを使った動画編集をするには、2通りの方法があります。
- 動画編集ソフト内にあるテンプレートを使う方法
- 素材サイトからダウンロードして使用する方法
この2つの方法について、それぞれ具体的に解説します。
編集ソフトに入っているエフェクトを使う
多くの動画編集ソフトには、さまざまなテンプレートとして入っているエフェクトが用意されているのでそれを活用する方法があります。
あらかじめトランジションの動きが決まっているため、編集段階で組み込めば簡単に編集が可能。
動画編集をはじめたばかりの方には、テンプレートを使用して編集をするのがおすすめです。
ただし、編集ソフトによってはエフェクトの種類や操作方法が異なるため、事前にマニュアルやチュートリアルを参照して下さいね。
同じトランジションでも、ソフトによって見え方が違うケースもあります。有料ソフトを選ぶ際には、必ず無料のお試し版で体験してみるのも大切です。
動画編集ソフトについては以下の記事でも紹介していますので参考にしてみてください。
素材サイトを活用する
もうひとつの方法は、素材サイトからトランジションを選択する方法です。
動画素材サイトには、トランジションの動画素材が多数用意されていて、編集ソフトに入っているトランジションよりも種類が豊富です。これらの素材を使うことで、より簡単にトランジションを付けることができます。
無料と有料のサイトがありますが、はじめは無料で問題ないでしょう。
最初は無料のサイトで試しつつ、よりかっこいい動画を作りたいと思うようになったら有料サイトを使用してみてください。
フリーサイトのおすすめは以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
無料のスマホアプリ「CapCut」でもトランジションを使える
「CapCut」とはiPhoneでもAndroidでも、無料で使える動画編集アプリです。
スマホアプリながら豊富なトランジションが使えるので、手軽にお洒落な動画編集ができると人気があります。
スマホで動画を撮影することも増えているので、編集までスマホで完結できるのも魅力的ですよね。
CapCutの使い方について詳しく説明しているYouTubeがあるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
トランジションを駆使してつなぎ目の自然な動画を作ろう
トランジションについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
動画を撮影したはいいものの、魅力的な動画の作り方に悩んでいた方にはぜひ、トランジションを活用して頂きたいです。
トランジションを使用すれば、単調な作品にならずに視聴者が最後まで観てくれるようなインパクトを与えられるような動画になります。
初めは慣れないので制作に時間がかかりますが、ある程度慣れてくれば短い時間でおしゃれな動画を作成できるようになります。
トランジションがどの場面で使えるのかを考えながら制作していくと、動画編集のおもしろさに気づいていくので、ぜひ今回のスキルを活かしてみてください。
この記事のまとめ
- トランジションとは動画の場面転換をするエフェクト
- エフェクトを加えることで視聴者に飽きずに観てもらえる
- トランジションは編集ソフトのテンプレートかサイトから選ぶ
- おしゃれに動画をつなげるには、カメラの動きや被写体に合わせる
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